6/5[日]、popmuzik recordsの宮城さんが絶賛していたアーティスト
小瀬村晶さんのピアノコンサートに行ってきました。

ピアノコンサートといえば、少し敷居が高くかしこまった感じで聴くイメージもありますが、
会場が大名のROOMSだったこともあり、とても馴染みやすいイベントでした。
コンサートの感想は、一言。「家にこの音楽を持って帰りたい」です。
ピアノの音色の心地良さはもちろんですが、音楽からいろんな物事をイメージできる、
小説のような音楽ばかりでした。ひとりでゆっくり聴きたい。
さて、この仕事をしている特権、コンサート終了後にご本人とお話することができました。
《福岡公演の感想》
今日は、お客さまの顔が見えるなかでの演奏だったので安心して弾けました。
お客さまとの一体感があり、僕の演奏がどう伝わっているか、
きちんと届いているかを確かめながらできました。とても良い雰囲気でした。
《今日の演目で、おすすめを教えて下さい》
今春リリースした、「how my heart sings」というアルバムのツアーだったのですが、
アルバムの曲順でいうと、6曲目の「noel」(ノエル)。
CMの仕事でつくった曲で、じつは時間のない中で作ったので、
最初は思い入れがあまりなかったものなんです。
ただ、実際に放映されると、視聴者から想像以上に反響があり驚きました。
僕のオフィシャルサイトから、この曲に対し感想をいただいたり、CD化されるかご質問もいただきました。
「noel」は、30秒くらいの曲なので、CD化は難しいけれど、
その声に応えたいという想いはありました。それから月日が経って、
その方が来てくれていたカフェのライブの時、その場の雰囲気が和やかで
とても良かったので、予定してなかったのですが、「noel」を演奏しました。
ライブの後、その方から、「生で聴けて良かった」と言っていただきました。
やはり音楽は、コミュニケーションのひとつだと思っているので、
このように音楽を投げ返してもらえるようなやりとりが大切だと思っています。
「noel」は、そんな音楽のコミュニケーションを体感できた初めての曲なんです。
僕自身もライブを通し、徐々に自分の作った曲を好きになる。
それを気づかせてくれた大事にしている一曲です。
《演奏中、映像が流れていました。映像は演出上、欠かせないものですか?》
映像は、僕の音楽を手助けしてくれるものです。
ただピアノを弾いているだけだと、やはり退屈に感じる人もいると思いますし、
バンドではないので動きがないですから。お客さまの目は、いつも開いていますし、
聴覚だけではなく、視覚も人に影響するものなので、音楽環境をつくることを大切にしています。
ツアーでは、さまざまな会場をまわるので、雰囲気の違う所を、
できる限り同じ状況にすることに気をつけています。
こちらから側から音楽を投げるイメージを一定化することで、
自分の演奏する音楽から受けるイメージを、
聴いてもらった人の解釈に委ねることができると思っています。
《作曲時のエピソード》
自分の好きな季節、好きな時間につくります。今日はできるかもという日があるので、
そういう時に作るのですが、雨の日だと雨の曲ができますし、
晴れた日には晴れの情景が浮かぶような曲ができる感覚ですね。
《作曲時、大切にしていること》
僕は、基本的に曲を作る時に何も考えていないです。
何かを考えて作ると嘘になるというか...。「how my heart sings」の5曲目に、
「singing birds」というタイトルがあるんですが、
これは鳥の歌声のような曲を作ろうとしたわけではないんです。
僕の自宅の小さな庭に、毎朝来る鳥が居て、チュンチュン鳴き声が聞こえる日常の中で、
ピアノを弾いていたら偶然出来たものなんです。
普遍性だったり、必然性だったり、毎日歯を磨くのを欠かさないように、
生活の一部として、ピアノを弾き続けていたいと思います。
だから困るんですよね。出来ない時は、全く出来ないです(笑)。
自分の作品は、どれもプロットを立ててから作ることはしていないです。
《タイトルは自分でつけますか?》
「larmes」(ラルメ)という曲は、いつも映像やジャケットのアートワーク、
写真を撮ってくれている菊地くんがつけてくれました。
この曲のイメージを彼に聞いたら、「こぼれ落ちるような涙のイメージ」と言われました。
僕は、こんな曲を作ろうと決めてやっていないので、タイトルは後からつけています。
ただ記録用に、タイトルをつけてしまうと、そのイメージが付いてしまうので、
不用意にネーミングしたりはしないようにしています。
《メッセージ》
今回リリースした、「how my heart sings」の次におすすめなのは、
「polaroid piano」というアルバム。この二つは僕の音楽で、とても繋がりの深い作品なんです。
「polaroid piano」は、40分で作ったもので、僕を最初に拾ってくれたオーストラリアの
レーベルから出した一枚です。
ある日、そのレーベルのプロデューサーが、ポラロイド写真を送ってきて、
それをコンセプトに音楽を作ってと言われました。
ポラロイドフィルムの質感といえば、アナログな感じですよね。
そんな光や温度が分かるような、ノイズがのるようなあたたかい雰囲気を意識し、
音楽を作りたいと思いました。そして、シャッターを押した途端に写真が出て来る面白さを
音楽に例え即興音楽でやることにしました。
いつものように、一回作った曲を時間をかけて作り込んで行くことを一切やめ、
ある一日に集中して10曲作りました。どの曲も瞬間を録音したもので、
それから何も修正していません。
「polaroid piano」は、2009年の作品。
2011年、「how my heart sings」をリリースしましたが、
時間は経っても、自分の素、飾っていない音楽、二枚とも裸に近い作品です。
この二枚を聴いて、好きだと言ってくれる人がいて、
僕は以前よりもずっと自分の音楽を強く信じられるようになりました。
そんなふたつの作品を、時間のある時、聴き比べ楽しんでもらえたらと思います。

小瀬村晶:東京在住の音楽家、音楽プロデューサー。
2007年より自身が手がけるレーベル SCHOLE RECORDS を主宰し、
これまでに数多くの若手音楽家を発掘、作品のディレクションやプロデュースも行っている。
■ドキュメンタリー「ウミウシ 海の宝石」DVD(サウンドデザイン)
http://www.umiushi-dvd.com/
■「MISAWA HOME」スペシャルサイト(サウンドデザイン)
http://www.misawa.co.jp/vision/index.html
その他多数。一部を抜粋。
詳しくはこちら→オフィシャルサイト

最後に、510maruもアルバム、「how my heart sings」を購入しましたが、
ビジュアルブックが付属されていてすてきでした。気に入ったページをこちらで。